2017/01/27  日本経営対談記事

文責:村瀬令奈

 

「教えてください!大阪の企業!第6弾~株式会社日本経営編」

医療コンサル大手、日本経営の見据える未来とは!?

今回は取締役の井上さん、人事部の橋本さんに取材をさせて頂きました。

 

~取材企業紹介~

株式会日本経営(参照 URLhttp://nkgr.co.jp/

・所在地:豊中市

 

・事業内容:日本経営グループは各分野のプロフェッショナルファームの総称であり、コンサルティング業務とコンプライアンス業務を展開している。

~隊員紹介~

まや

我らが団体代表。得意の質問力を生かして今回はメインインタビュアーとして参戦。頼れる代表です。

 

れな

だんだんと緊張せずに取材できるようになってきた3回生。写真の背景にある像がお気に入り。

 

けんと

回生イチ優しさにあふれるメンバー。常に人との関わりを大切にしているいい奴です。

 

ゆうこう

団体イチ、アグレッシブで行動的な1回生。取材はほぼ皆勤。今回の取材では得るものが多かったようでルンルンなご様子でした。

 

 

 

 

 

 

まや:「井上常務取締役、橋本さん、本日はよろしくお願い致します。早速取材に入らせていただきます。お二人とも新卒で入社されたとのことですが、コンサルティング業界や日本経営さんに魅力を感じた点を伺えますでしょうか。」

 

井上常務取締役:「私の時代は、学生側からのコンサル業界の知名度はほとんどない状態でしてね。そもそも新卒採用はなく、キャリア採用が主流でした。それだけ経験と知識がないとコンサルというのは務まらない。新卒1年目にコンサルを頼もうとは思わないじゃないですか。人材育成という観点から見ても、新卒から入れるというのはすごく非効率な戦略なんですね。だから、多くのコンサル会社はキャリアを積んでからそれを生かしてコンサルをするというのが普通で、新卒でコンサルになろうというのはあまり常識的ではなかったんです。なぜ私がコンサルタントなのかというと、先輩の影響です。私は大学時代マーケティングのゼミに入っていまして、当時の先生はマーケティングの中でもメジャーな方で、実業界でも「そのゼミの学生が欲しい」と言っていただけるようなゼミでした。私たちの時代はバブルで、花形就職は四大証券か都銀でした。みんな内定通知書を45枚持っているようなおかしな時代でしたね。ただ私はそういった状況を疑問に思っていました。当時、ゼミの先輩が外資の大手コンサルティング会社に入社されていて、その先輩からコンサある業界の話を聞いていました。また一方では、私の学生時代の友人の父親が独立したコンサルタントをされていて、裕福な生活をしていたので「コンサルって儲かるんだ」という印象もありました。それで、回り道するよりもストレートにコンサルに入ろうという風に思いましたね。証券、都銀、大企業といった就活は一切していないです。」

 

れな:「コンサル業界しか見ていなかったのですか?」

 

井上常務取締役:「そうです。ある意味リスキーでしたね、数が少なかったので。」

 

れな:「その中でも日本経営さんにした決め手は何でしたか?」

 

井上常務取締役:「採用人数が15人と多かったんですよ。外資だとエリートが人くらいしか入れなかったのですが。当時は日本経営のことをあまり分かっていなかったのですが、採用面接を進めていただく中で、当時の社長が白のポロシャツで今にもゴルフに行きそうな恰好で面接をして下さって、そのインパクトがすごく強烈で。お会いした時の第一声は「今日朝飯食ってきたか」。私は当時怠惰な学生だったので普段朝ご飯なんて食べていなかったのですが、たまたまその時は朝マックを食べていたので「食べました!」と答えると、「いい心がけだ!」と答えてくださって(笑)後は何を話したか覚えていませんがね。ただ、社長の人間としてのオーラがすごかったんです当時は50名くらいの会社で、これから100人超えていくかというところで、発展するか潰れるかの境い目ですよね。しかしその社長のオーラで「この社長は会社を大きくするだろうな」という根拠のない確信を得たんです。それが決め手でしたね。名前が通ってるとか通ってないとかではなくて、もともと業界が知られていなかったので、そういう価値観は全くなかったです。あとは、当時は大阪にしか事業所がなかったので、転勤でうろうろしたくないという少し後ろ向きの理由もありましたね。」

 

まや:「人間性やオーラに惹かれてということなのですね。」

 

井上常務取締役:「そうそう。あと、目指したい職種でもあったのでね。」

 

 

橋本さん:「私はゼミの先輩が日本経営にいて、ゼミのOB会にいらっしゃったんです。それで日本経営のことを知りました。私の父は商社マンだったのですが、90年代に商社は統廃合活発に行われていました。そこで、父の会社もその影響があり、父は一旦会社を離れたんですよ。そのときに『コンサルタントへの転職』というような本を父が毎月買っていて、父の読み終わった本を貰っていました。そこには、「コンサルってこんなことができる、独立してこういう力が身につく」ということが色々と書いてあって。ですので、私は高校時代からコンサルには馴染みがあったんですよ。ちょうど叔父が高槻で中小企業診断士の資格を持って経営コンサルの仕事をしていたこともあり、コンサルへ憧れも持っていました。大学時代に入ると、父の影響もあり、「商社マンってかっこいいな、海外に行きたいな」という想いがあって。でも実際海外に行った人に話を聞くと、日本では大きな看板を掲げていても現地では少人数であり、商社って実は小さい単位で成り立っているということが分かるようになりました。そこで、中小企業でやっていることが分かれば大企業でやっていることも分かるのではないかと考え、大学では中小企業論のゼミに入りました。そこで色々な経営者の方にインタビューをする中で自分の求めていることをもう一度考えると、良い経営に近づきたい、ずっと使える力をつけたいというのが私の人生のテーマだと気づきました。父の場合が商社マンだったけれど40後半から飲食に変わって、英語などそれまで培ってきたものが生かされないということがあったので、それがすごくもったいないという気持ちもありました。それで結果的に、大学を卒業して日本経営に入ることになりました。」

橋本さん:「就職活動するときのテーマは、1業種1社でした。当時はゼミ・アルバイト・教習・就活と同時にしていたので、時間に限界がありました。ですので、受けた1社がだめならその業界と縁がなかったと思うことにしていました。コンサル業界はもともと知っていた日本経営に決めていました。受けるからには徹底的に媚びを売るというのが僕の戦法で、年賀状を書いたりもしました。忙しく就活をしていくと体にも影響がでて、月頃には血尿が出始めたんですね(笑)それで、自分の時間を就職活動のために割くよりも大学生活を楽しむために使いたいと思い、月に内定をもらっていた日本経営に決めたという側面もあります。もちろん、コンサル業界の中でも日本経営に絞るのには結構考えました。インターンやセミナーへの参加、ネットでの情報収集などもしました。日本経営は医療へのコンサルが強みであり、経営や実利的なものだけではなく人のためになることをしたい!と思い日本経営を選びましたね。」

 

まや:「ありがとうございます。それでは、次に日本経営という会社について伺いたいと思います。日本経営さんは病院との繋がりが多いかと存じますが、病院の7割以上が赤字だと伺いました。これは本当でしょうか。」

 

井上常務取締役:「そうですね。経営形態によるのですが、自治体病院だとそれくらいだと思います。民間病院だと赤字では潰れてしまうので、その逆でしょうね。」

 

まや:「調べていると病院の赤字の原因は人件費だといったことが書かれていたのですが、実際はどういった悩みを抱えた病院さんが多いのでしょうか?」

 

 

井上常務取締役:「テーマは様々ですね。我々もその全て対応できるように体制を整えています。一番表面化している問題はあくまで入り口でしかなく、そこから他の問題が見えてきます。そこに、日本経営の総合力でアプローチをしていきます。ですから、1つのテーマだけではなく病院経営を全体的にサポートし、体質的に改善するというやり方ですね。この総合力は個人コンサルにはない強みだと思います。病院経営の特徴は、日本は国民皆保険で国が費用を7割負担するので不渡りが無いということです。国が決めている診療報酬体系というのは、きちんと経営すれば黒字になるようにできていますし、潰れたら困るということで、病院は国の保護されるような立場にありました。しかし平成12年に介護保険がはじまり、それ以降国は病院の保護から手を離した状態になってきています。そこで、病院も経営のプロとしての視点が必要となってきたんです。お医者さんは基本的に経営には素人ですから、見よう見まねで経営をされています。そこで我々コンサルタントのニーズが高まってきています。繰り返しますが、病院は正しく経営すれば必ず黒字になるので、そうなっていない理由を探しそこを是正しています。我々は外部の人間なので常駐はしませんが、やるべきことのスケジュールを決めて、あとはその進捗管理をしています。そうすれば基本的にはうまくいきます。質素に健全に、地域の患者さんに医療を提供していただくためのお手伝いをしています。」

まや:「地域医療や病院のグローバル進出については、今後どうなっていくでしょうか。」

 

井上常務取締役:「海外進出については今活性化しつつありますね。海外進出をしたいというクライアントもいます。これからの市場になるであろう東南アジアに社員の派遣を行っており、昨年からは一ヶ月の語学留学も制度化されています。

地域医療という視点では、二次医療圏(※県を4分割したくらいの範囲)単位で全ての医療を集約しようとういう試みを進めています。今の日本は病院が8,500件ほどで、ピーク時は11,000件ほどだったので、集約が進んでいるといえます。日本では各病院がいろいろな診療科をもっているのに、実際に対応できる先生はごく少数であったりします。それが原因で、救急車のたらい回し問題もありますよね。それを、できるだけ二次医療圏単位で集約していこうとしています。アメリカはあれだけ大きい国であるにもかかわらず、病院の数は5,000件です。確かに病院までの距離はありますが、そこまで連れて行けば、その病気に対応できる医者がたくさん集まっているので、受け入れを拒否されることはないんです。そういう風に各病院が強みの診療科に特化して、この病気はA病院、あの病気はB病院、となるように、二次医療圏の集約を進めています。今は残念ながら、同じ病気でもどこで倒れるかによって助かるかどうかが決まってしまうところがありますね。

この二次医療圏の集約は、当事者同士が話をすると利権争いになってしまうので非常に難しいです。大学病院などその地域の中核となる病院が音頭を取ってくれるのが一番いいのですが、そこもまた利権があったりもします。そこで、我々のような第三者がうまくコーディネートをしていく必要があります。今後は1件1件の病院をコンサルするというよりは、そういった地域医療の仕事が増えていくと思います。」

 

れな:「そういった試みは、大学病院など中核となる病院と連携して行っていくのでしょうか。」

 

井上常務取締役:「そうですね。大学病院単体へのコンサルも現在行っていますので、そういった人脈を通して地域医療構想を考えています。岡山ではそのモデルができつつありますよ。」

 

れな:「そうなのですね。話がグローバル進出の方に戻りますが、近年外国人観光客を誘致する動きが進んでいるように思います。医療におけるインバウンドは実際に進んでいるのでしょうか。」

 

井上常務取締役:「インバウンドについては、日本医師会が反対をしています。日本人患者を蔑ろにして外国人患者を受け入れていいのかという意見がまだ根強くあり、まだ参入障壁があります。しかし実際は人間ドッグで日本に来る中国人は多いですよね。他の国を見ると、タイなんかは医療ツーリズムが進んでいます。医療費が安く技術は高いので、アメリカ人が多く訪れているようです。そういう意味では、日本は遅れています。医療鎖国をしている状態です。しかし、時間が経てば日本でもどんどんそういった動きは進んでくると思いますよ。」

 

 

まや:「ありがとうございます。今の若手社員には、そういった時代の変化に合わせてどういう力が必要になってくるでしょうか。」

 

橋本さん:「いい質問ですね。実は現在、東京オリンピックに向けた仕事もあるんですよ。オリンピック委員会から依頼をされて、東京都の医療整備をしています。具体的には、先ほど井上が医療ツーリズムの話をしましたが、東京都としてもそれを推進させたいと考えているんです。現在、年間外国人がどれくらい日本に来ているか分かりますか?」

 

ゆうこう:「1,000万と少しくらいでしょうか」

 

橋本さん:「そう思うでしょう。実際は2,000万人ほどで、国は3,000万を目指すということを言っています。やっぱりそれくらい多くの外国人が来ているんです。しかし今の日本では、その外国の方は体調が悪くなった時にどこに行けばいいのか分かりにくいですよね。そのために整備をしてくれというのが、東京都からの依頼です。現在は病院に行くハードルを下げるために、病院ほど大きくない、訪ねて行きやすい総合診療所を建てているんです。実は、その仕事を入社1年目の社員が担当しています。そういった新しい事業やサービスに対応をしているんです。コンサルとういうのは基本的に、3年たったらそのサービスは廃れていきます。市場が求めるスピードはとても速いです。そこで、私たちは開発型のコンサルタントティング会社になろうという風に考えています。今日本経営では年一回、全社員を集めて研究発表大会を開催しています。各事業部でどんなことをしているのかを発表して、コンテスト形式で競い合います。1位には賞金50万です。今年優勝したのは女性の主婦の方で、ハワイ旅行に行ってらっしゃいましたね。そのような色々な取り組みで、個人個人が新しいものを生み出していこうという雰囲気になりますよね。それは私たちの会社の強みかなと思います。」

 

まや:「研究発表大会というのは、新事業の企画立案について発表する場なのでしょうか?」

 

橋本さん:「そうですね。三部門ありまして、商品開発・業務改善・ビジネスプランでそれぞれ順位がつきます。先ほど話した主婦の方は、業務改善の部門でしたね。」

 

けんと:「なるほど、ありがとうございます。今までを振り返って、今の学生のイメージやメッセージを頂きたいです。」

 

橋本さん:「80年代前に生まれた人は体育会系の人が多いですよね。それ以降になると、対立を好まない、柔らかい人が多い気がします。どちらが良いということではなく、これは時代の流れだと思います。例えば漫画のワンピースって、人を殺すシーンがないでしょう?それまでの漫画って悪をやっつけるものが多かったんです。それに比べてワンピースは、あいつは悪いけれども悪いなりの正義がある、ということが作者の考え方ですよね。90年代頃からそういう漫画が増えてきました。それまでは善と悪をはっきりさせたがっていたのが、相手のことを考えるという風潮になりつつありますよね。失われた10年といいますが、何が失われたかというと、「頑張れば報われる」という感覚です。バブルが崩壊したことによって暗く長いトンネルに入り、何が正解で何が不正解ということが途端に分からなくなったんですね。なので、今の学生はそういう時代で生まれてきたからこその感性があるのではないでしょうか。私自身は若い人に対して自分の考えを押し付けない、ということはよく意識していますね。なので、社会人になった時にどういう価値観を大事にするのか、今の学生にはよく考えて欲しいと思います。

 

一同:「ありがとうございました。」

 

*取材を終えての感想*

まや…日本経営がスタートアップの時から共に成長してきた話が聞けて非常に学びとなりました。現在はかなりの大企業になられているがベンチャー気質な点も見受けられたのは面白く感じました。ご多用の中、貴重な時間を割いて頂き本当に感謝しています。

 

れな…11つの質問に対する回答の内容がとても濃く、それほどの経験をされてきているのだということを痛感する取材でした。元々医療に関心があったので、今回の取材を通して医療の現状を知ることができ、とても充実した時間となりました。ありがとうございました。

 

けんと…少し硬い会社というイメージだったのですが、今回取材させて頂いて、優しく対応してくださり、非常に話しやすかったです。日本経営の魅力から今の社会問題まで様々なことを話してくださったのでとても勉強になりました。

 

 

ゆうこう…こちら側の質問の量が1だとすれば、答えが5以上返ってくるイメージでした。取材がきっかけで医療分野にもとても興味関心が向くようになりました。今後もずっと関係を繋げてもらえるように、全力で取り組みたいと心から思いました。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!次回もお楽しみに!!