2016/12/19 株式会社NFL対談記事

文責:村瀬 令奈

 

「教えてください!大阪の企業!第5弾~株式会社NFL編」

今回は、株式会社NFLの川辺社長に取材をさせていただきました!

地域のため!大阪のため!日本のために!川辺社長の事業にかける想いとは!

 

~取材企業紹介~

株式会社NFL(参照 URLhttp://nfl.co.jp/

・所在地:大阪市北区

 

・事業内容:紳士服の製造・卸・小売業

~取材隊員紹介~

だいすけ

真面目すぎて逆におもしろい、学生販促隊のムードメーカー。電卓漫談が特技という噂。

 

れな

 学生販促隊のお局さんと呼ばれつつある3回生。緊張したらすぐ震えると話題。今回は震えなかったよ…!

 

だいすけ:「本日はよろしくお願い致します。それでは、取材を始めさせて頂きます。川辺社長は3代目の社長だと伺いましたが、就任後どのような苦労がありましたか?」

 

川辺社長:「いろいろな苦労がありましたね。私は紳士服屋の3代目で、卸売りをやっていました。売り先は業界大手の小売店。在庫が溜まってしまったり、売り上げがあっても利益が出なかったりだとか…。資金繰りは大変でしたね。」

 

だいすけ:「今も厳しいのですか…?」

 

一同:「(笑)」

 

れな:「なんと失礼な…」

 

川辺社長:「今はもう考えていますよ。中小企業の社長はみんな同じだと思いますが、常に資金繰りは考えていますね。」

 

だいすけ:「なるほど。3代目ということでしたら、学生の頃から会社を継ごうと考えていたのですか?」

 

川辺社長:「考えていなかったです。次男だったのでね。」

 

れな:「そうなのですね!では、どの時期に継ぐことになったのですか?」

 

川辺社長:「私は東京の大学に行ってそのまま就職したので、大阪に帰る気はありませんでした。しかし、97年に兄が私を訪ねてきて「家が大変なので、戻ってきてほしい。一緒に仕事してほしい」と頼まれました。決め台詞、一番刺さった言葉は「今しか親孝行できへんぞ」でしたね。

 

だいすけ・れな:「刺さる…!」

 

川辺社長:「父親も大変やから兄弟で支えていこうということになりました。私も兄を尊敬していますし、小さいころから助けてもらっていたので、兄の言葉は響きました。家族を助けよう!という気持ちで、大阪に帰りましたね。」

 

れな:「では、お兄さんと共同経営なさっていたのですか?」

 

川辺社長:「そうですね。兄は将来社長になり、私はそれを補佐するという立場でした。まあ、会社は別れましたけどね。最終的には分社して、今ではみんな社長です。」

 

だいすけ:「HPを拝見すると、「明るい社会」「働きやすい環境」という文言が多く出てきたのですが、その根底には先ほどからおっしゃっている「家族」というものがあるのでしょうか?」

 

川辺社長:「というよりも、それは基本ですよね。従業員や社員さんは家族のように思っています。しかしそれは当たり前で、その上で更に3代目として大阪で育ってきたので、地元大阪への恩返しという気持ちがあります。うちの会社が危機を乗り越えられたのも、大阪の仲間のおかげです。その恩返しのために、大阪を良くしていきたいと思っています。」

 

れな:「地元への気持ちは、大阪に戻られてから芽生えたものなのでしょうか?」

 

川辺社長:「いやいや、もともとありますよ。ずっと小さいころから大阪城の近くで生まれ育って、地元友達もたくさんいますしね。東京にいながらでも、大阪のことは忘れていませんでした。大阪を良くしたい、日本を良くしたいという気持ちは昔からあります

 

れな:「繋がりや恩をとても大切にしてらっしゃるのですね。」

 

だいすけ:「HPで武将スーツというものがあると拝見しました。これも「地域を盛り上げたい」という想いから誕生したのですか?」

 

川辺社長:「武将スーツはクラウドファンディングから誕生したものです。クラウドファンディング・FAAVE大阪(*1)を運営し始めて、これを盛り上げていくためにはどんどんクラウドファンディングに事業案が上がってくる必要がありました。また、大阪もこれを使って盛り上げていきたいと思ったのです。その案件を探す中で、天王寺区役所では既に、「真田丸」のジオラマを作るために200万円あつめるというクラウドファンディングをされていることを知りました。天王寺区長であればFAVE大阪のことも分かるだろうということで、区長に直接FACEBOOKで連絡を取ってお会いしました。

 

れな:「すごい!時代の流れを感じますね。」

 

川辺社長:「SNSは便利ですよね。中間を飛ばして直接トップに話ができるので。それで連絡を取って、お会いしました。その時ちょうど大坂の陣400周年ということで「真田幸村博」が開催されていました。それで真田幸村の話が出てきて。うちは紳士服スーツメーカなので、真田幸村スーツを作りませんか、という話になったのです。」

 

だいすけ:「では、武将スーツは新商品というよりは、クラウドファンディングの目玉なのでしょうか?」

 

川辺社長:「弊社は元々卸売りのB to B(*2)企業です。そこからB to Cに移行するためには、自社ブランドが要りますよね。そのための商品開発という側面もありますね。」

 

れな:「反響はおおきかったですか?」

 

川辺社長:「そうですね。ぱっと見は普通なのですが、家紋が入っていたり、細部にこだわっていて。「なぜこうなっていうのか」と、ウンチクを語れるスーツになっています。商談や、こういうインタビューの時の話題作りに活用してもらえると思いますよ。」

 

だいすけ:「なるほど!僕も武将が好きで、よく語り合ったりします。」

 

川辺社長:「歴史を勉強すると、経営にも生かせますしね。勉強にもなります。日本全国の武将ファンから「こんなスーツ待っていました!大阪頑張れ!」というコメントと共にクラウドファンディングを支援して頂いて、250万くらい集まりましたよ。なので、まず「真田幸村スーツ」ができて、そこから「武将スーツ」ができました。

 

新しい武将スーツを作るときには、地域を巻き込みながら開発をしますFAAVOというのは地域密着型のクラウドファンディングで、全国に60か所あります。だから、すべてFAAVO大阪でやるのではなく、例えば織田信長スーツならFAAVO愛知を使うのです。FAAVO鹿児島では島津スーツを作りましたね。地域の人はやはりその地域の武将が好きなのですよね。なので、半分は地元の人が買って下さって、もう半分は全国の武将ファンがコンプリートしていく形でリピーターになって下さっています。」

 

だいすけ:「僕もお金があったら買ってしまいます()ちなみに、今後はどのようにこのシリーズを増やしていくのでしょうか?」

 

川辺社長:「ご縁ですね。ご縁を頂いたところから武将スーツを作っていこうと思っています。最近は、地方から「作ってほしい」とオファーを頂くのです。今は滋賀県米原市からオファーがきていて、いま武将スーツ第五弾としてFAAVO滋賀を使って石田三成スーツを作っています。たくさんオファーが来ていて、武将の末裔にお会いできることもあるのですよ。」

 

れな:「すごい!川辺社長は武将がお好きなのですか?」

 

川辺社長:「僕は後付けです()武将が好きで詳しいスタッフが社内にいるので、一緒にやっています。僕は地方が好きで、あちこち行くのが好きです。今度は兵庫県西脇市に行って、武将スーツの提案をしようと思っています。西脇市の武将は誰か知っていますか?」

 

だいすけ:「兵庫県で思いつくのは、黒田くらいです」

 

川辺社長:「そう、黒田官兵衛ですね。黒田官兵衛の末裔とお会いできたんですよ。」

 

れな:「お会いしたのですか!羨ましい!」

 

川辺社長:「末裔さんにも許可を取って巻き込んでいくのですよね。それで西脇市も盛り上がってくれればまさに三方良し」ですよね。分かりますか?」

 

だいすけ:「売り手良し、買い手良し、世間良し、ですね。」

 

川辺社長:「その通りですね。それをやっていこうと思っています。」

 

だいすけ:「僕、HPで武将スーツを見てグッと来ました。オーダーメイドと書いてあって、中高年向けでお値段も高いのかなと思うのですが、それを20代向けに安価で作る予定はないのですか?」

 

川辺社長:「考えてないですね。値上げしか考えていないです()適正価格というのをずっと研究してきているのですが、経営は値付けなのですよ。「なんぼで売るか」それが一番難しい。昔は卸売りだったのですが、大手チェーンが39,800円で売るスーツをいくらで卸していたか分かりますか?」

 

だいすけ:「半分くらいですか?原価率は商品の半分くらいで、その中で人件費等考えると、更に圧縮されて1万円くらいになるのかなぁ…」

 

川辺社長:「なるほど。実際は8,000円とか、9,000円でしたね。」

 

れな:「ええ!そうなのですか!」

 

川辺社長:「大変でしょう。卸しメーカーは1着売って1,000円ほどの利益なのです。小売店は1着売ったら3万円以上の利益ですよね。これはおかしいと思った。それを変えたいな、というのが私の想いです。でも、それが世の中で、弱肉強食のようなところがあります。強い店を持っているところは、売り手を競争させて、値段を下げることができる。「高く売るなら、要りません。安いところから買います」といった具合ですね。でも、現状そういったことを消費者が分かってきているのです。今は、商品はどこで作られていると思いますか?」

 

れな:「中国ですか?」

 

川辺社長:「中国から更に、バングラデシュとかベトナムとかミャンマーとか、東南アジアにいっていますよね。それでいいのですか?という話です。「やっぱりMADE IN JAPANがいい!」「日本人が日本を応援したいから、日本で作られたものを買いたい!」という気持ちの人が増えてきているのです。だから、ユニクロの反対をやろう!ということで、MADE IN JAPANで日本人の若い人を応援しようと思ったのです。若者のために安く売るのか、高く売るのか、どっちやねん!ということですよね。それをよく考えてほしいですね。」

 

れな:「なるほど。考えさせられます。」

 

川辺社長:「現状、少子化や晩婚化が進んでいる。それはなんでだと思いますか?」

 

だいすけ:「給料が安いからですか?」

 

川辺社長:「なんで安いのだと思いますか?デフレだからだと思いませんか?どんどんデフレが進むことで、若者が正社員ではなく非正規社員になっていき、給料が減る。それで年収が低い若者が多く、結婚はしないしお金は使わない、どんどん少子化も進みます。そんな世の中でいいのですか?それに早く気付いてほしいし、変えていきたい。やはり子供は宝なので、少子化はだめなのですよ。全てにおいてマイナスです。減りすぎると国が成り立っていかないのでね。

大企業にはそれを変える責任があると思いますね。中小企業はそれだけの体力がありませんのでね。政府も国も、大企業もそういうムーブメントを起こしていかないといけません。減っていくばかりだと夢がないじゃないですか。このままだと移民を受け入れなければならないですよ。」

 

れな:「そうですね。そういう話も進んでいますよね。」

 

川辺社長:「みんなに責任があると思いますよ。それを勉強しないといけない。今の日本の教育がだめなのです。」

 

だいすけ:「日本の大学教育は良くない、という話はよく聞きますね。」

 

川辺社長:「高校も大学も良くないですよ。」

 

れな:「そうですね。私はゼミで国際情勢を勉強しているのですが、そこでは「日本は移民を受け入れるしかない」という話になりがちです。今のお話を聞いていると「日本から変わっていかなければならない」と思いましたね。」

 

川辺社長:「フランスなんかは出生率が1.8くらいになってきているみたいですね。」

 

れな:「政府の支援がすごく良いという話を聞きました。」

 

 

川辺社長:「そうです。フィンランドとかスウェーデンとか、フランスに勉強しないといけないですね。それを高校や大学の授業でやってほしいですよね。記憶の勉強だけではなく、現状を知る勉強が必要で、それが出来ていない。それが教育の怠慢ですね。」

だいすけ:「川辺社長のビジョンとしては、少子高齢化を改善する、そのために若者の賃金を上げるということがあるのでしょうか?」

                 

川辺社長:「それでは大きすぎるのでね ()うちの使命は縫製工場を守っていくことで、そのためには若手の職人を育てていくことが大事です。若い子を毎年新卒で採っています。いまの縫製業界はどんどん高齢化が進んで、7080歳の高齢者がミシンをしているわけです。5年後10年後どうなっているのですか?2030代の子がいないと続いていかないですよね。中国や東南アジアに任せていいのですか?国内に絶対必要じゃないですか。それを守るために、若手の育成をしています。初めはできない子を雇うわけですから、大変ですよ。」

 

れな:「本当ですね。雇うということは、お給料も出すということですもんね。」

 

川辺社長:「そうです。だからやっぱり値上げしていかなければならない。安く売るのは、みんなが良くないです。お客さんも安いものを欲しがっていないですよ。安いスーツを買って1年でだめになるのか、高いものを買って10年着るのか、そこを考えて欲しいですね。」

 

れな:「そういうことを含めて、HPでも書かれていた「明るい社会」ということなのですね。」

 

川辺社長:「そうですね。私は子供が大好きで、子供もたくさんいます。子供のためにも、良い世の中にしてあげないと。みんな責任があるのですよね。そういう世の中を残すのがこの世代の責任です。自分のことばっかり考えてないで、世の中に貢献しましょう、みんなでいい世の中を作りましょう、という想いがないとね。」

 

だいすけ:「将来に向けてのビジョンはありますか?」

 

川辺社長:「私がやりたいことは大きく分けて2つあってね。1つは祖父から続いてきている縫製事業を継続していくこと。もう1つは、私は色んな苦労をしてきたので、同じような苦労を中小企業さんがしないようにアドバイスしていくことです。私は教える事が好きなのです。私はミシンができないので、それは守りながら、自分として何をするかというと、教えていく事業ですね。

その中でも2つあって、1つはクラウドファンディングのノウハウはおそらく日本で一番持っているので、それを使って中小企業さんを助けていきたい。つまり、弱い者の味方ですよね。私は大企業にはかなりいじめられましたのでね。大企業に問題がありますから、それを変えるためには中小企業が団結して、みんなで対抗していかなければならない。そういうことをやっていきたいです。

もう1つは、「町カレッジ」です。FACEBOOKやブログ、TwitterなどITを活用していくことで、中小企業は大企業に対抗していけます。インターネットの世界ならどの企業も対等です。それを勉強する場が、「町カレッジ」なんです。2007年からずっと独自の勉強会をしています。大阪産業創造館というところでスタートしました。そこからずっと勉強会仲間が増え、今ではもう勉強会仲間が繋がって、FACEBOOK5000人フォロワーがいます。はじめはボランティアでしていましたが、今では「町カレッジ」は事業化していて、会費をもらっています。この「町カレッジ」を広めたいというのも、私の使命です。社会人になっても、ずっと勉強なのです。なのに、勉強する環境づくりがないのですよね。大学の教育もなっていないのに、急に社会人になって、放り出されて、ちゃんと勉強しているのですか?それを「町カレッジ」ということで、地域ごとに寺子屋のように、勉強できる場を作ることで世の中に貢献したいと思います。次は「町カレッジ2.0」という、新たな事業も始めようと思っています。」

 

れな:「社会人になっても勉強。その通りですね。身に沁みます。」

 

だいすけ:「最後にこれから社会に出ていく学生に向けて、メッセージを頂けますか?」

 

川辺社長:「そうですね。自分をしっかり見つめなおした時、みんな短所と長所持っていますよね。そこで今の日本人は、短所をなくしていこうと考える。そうではなくて、長所を伸ばしてほしいですね。みんな同じでも良いのかもしれないけれど、私はその中でも「これだけは誰にも負けません」という武器を持ってほしい。それが自信になってきます。やはり11人が自尊心やプライド、アイデンティティをしっかり持つというのが、今の日本人に足らないところです。「私はこれが得意です」としっかり言えるように、1つの武器をしっかり磨いてほしいです。漠然と、「何でもできます」ではなく、「これを研究してきました」とかね。ある程度絞って、1つの目標を決めて、努力をして、達成感を味わってほしいです。

 

だいすけ・れな:「ありがとうございました!」

 

 

~(*)補足事項~

*1

FAAVO大阪…「出身地と出身者をつなぐ」ことをコンセプトとした「地域×クラウドファウンディング」です。’’地域を盛り上げるプロジェクト’’FAAVOを通じて発表することで、県内外の人々へPRすると共に、その取り組みに共感した全国各地の人々から広く支援金を募ることができます。

 

*2

B to B

Business to Businessの略。法人顧客相手のビジネスです。企業さん同士での取引になります。

 

B to C

Business to Customerの略。個人顧客相手のビジネスです。企業さんと直接私たち消費者と取引をしており、普段私たちが目にしている多くはこちらになります。

 

*取材を終えての感想*

だいすけ…歴史好きの自分としては武将スーツについてお話を聞くことができ、楽しい一時でした。個人的には伊達政宗のスーツが欲しいので、ぜひ検討して頂きたいです。また、川辺社長の考えは興味深く、共感できる点も多々ありました。

 

れな…家族愛・会社愛・地域愛・日本愛と、川辺社長の愛の大きさと深さに感服しました。こんな大人になりたい!!と思える、とても素敵な社長でした。 

 

最後までお読みいただきありがとうございました!次回もお楽しみに!!